「できない理由」を考えずに
「どうすればできるか」をチーム内で考えぬく。

「世界にオンリーワンの架台」 当社が施した工夫とは?

安芸高田太陽光発電所 建設工事編

今回は東亜電工史上、最も大規模な太陽光発電の工事であった、
安芸高田太陽光発電所建設工事を特集します。
今までとは勝手が違う現場の中で、当社が施した工夫とは?

施工概要

安芸高田太陽光発電所 建設工事
2019年9月~2021年3月

広島県安芸高田市で行われた、東亜電工史上最も大きな太陽光発電所の建設工事です。
発注者様からは、以前も数多くの太陽光発電所の建設工事の発注をいただいており、
その工事の施工内容や品質を評価していただいた結果、大きな工事を任せていただきました。
携わった人数は多いときで1日100名以上。私は主に設計を担当しましたが、それ以外にも、
安全についての注意喚起を行ったり、定期的な現場確認など、現場の方々と密に連携を取るよう心がけました。

なかなか定まらない方針

設計段階では、色々な案が出ており、試行錯誤していました。限られた面積の中でパネルが日光に当たる角度や時間、敷き詰められる量などを計算し、最適な設計を探りました。一度方針が決まったものの、着工時には新たな案がでるなど、方針を決めるのにも一苦労でした。しかし、発注者様と膝を突き合わせて設計・検討を繰り返したことは、私にとっては良い経験になりました。

世界にオンリーワンの架台

限られた敷地内に、申請して許可を受けているパネルの容量をいかに効率よく設置するか検討した結果、南向きに40°4段、北向き55°2段という世界初の架台に至りました。更に一年のうち半年は影の影響を受けない設計思想のもと、アレイ間は50㎝になりました。また、法面にもパネルを設置するため、全国では2例目となるベースマット工法を採用し、法面保護と雑草対策を兼ねたアレイ設置もこの発電所の特色といえます。

苦労した点

渓流釣りで有名な一級河川江の川の上流に位置する現場だったために、造成工事中は、汚濁水が流出しないよう下流域に向けての防災対策には非常に気を使いました。大雨が降るたびに、パトロールの実施・汚濁水を出さない工夫も現場の方で対応していただきました。また、造成計画の一部が、建設残土処理埋め立て地であったため、岩砕等の多様な土質のものが混在する埋め立て地を造成したことで架台基礎杭の設置の際、杭が打込めない・杭の支持力が出ない等の問題が発生しました。決められた工期の中で、遅延しないよう対策を取らなければいけなかったことに大変苦労しました。

施工を通して学んだこと

工事内容を考慮すると厳しい工期でしたが、現場の一人一人が工期を必ず守るという共通の目標をもって協力しながら工事を進めることができ、無事、無事故無災害で完工できました。何かを頼まれたとき、「できない理由」を考えずに「どうすればできるか」をチーム内で考えぬき、案を出し合い、話し合う事が重要だと再認識しました。